久しぶりの更新。
見よう見まねですらなく、ぼんやりとはじめてしまったブログ運営なので、
事あるごとにつまづいている。
映画鑑賞もやや、ペースが鈍っている。
4月は4本。累計20本。
17. PERFECT BLUE
2010年に46歳で早逝した天才アニメーション監督、今敏監督作品。
ミュージシャン平沢進とのタッグで制作された名作『千年女優』や『パプリカ』を記憶している映画ファンも多いはず。
最近、短いあいだだけNetflixで公開されていてそれを鑑賞。
人気アイドルグループの中心的なメンバーがグループを脱退して女優とし、ソロ活動をすることになる。
それに付随して起こるトラブル(賛否や、いかれたオタクたちの強火っぷり、事務所とのゴタゴタ)が
デフォルメされたホラータッチで展開していく。
正直そんなに心地よい映画鑑賞ってわけにはいかないテイストなんだけれど、
今監督の初期作品を観られてよかったなと。
1991年公開作品。
18.ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ
2019年サンダンス映画祭で上映され、監督賞と審査員特別賞をW受賞した作品。
かつて黒人たちが多く暮らしたサンフランシスコは、近年の土地再開発により地価が高騰、
元いた住人たちは徐々にその地を追われるようになる。
少年時代を暮らした黒人の青年ふたりが当時の夢を取り戻そうと奔走する、というストーリー。
タイトルで検索すると、バラク・オバマ氏が絶賛した等の高評価が続々。
……なんだけど、古いサンフランシスコの歴史や、黒人たちの文化的な側面をよく知らないと深い感動は得にくいかもしれない、というのが正直な感想。
すでに白人の富豪の持ち物となっている生家に、退去と同時に平然と住まいはじめて「最近家を手に入れたんだ!」と周囲や、長く不通だった母親に触れ回ったりするんだけど、そういうノリ(特に犯罪にのっかってしまっているという描き方ではない)もなんとなく気持ちが悪く、高評価ほどの熱い感動は個人的には得ることができなかった。
19.名探偵コナン 隻眼の残像
劇場版コナンは毎年のお楽しみ。
とくにことしは昨年の予告末で舞台が長野県警だとわかるや、1年間動悸が止まらなかったくらい楽しみだった作品。おまけに脚本は久々に櫻井武晴氏が登板とあって、公開と同時に映画館に駆けつけた。
詳細は割愛(べつの単独記事にするかも)するとして、感想は大満足。
シリーズでもベスト5には入る傑作なんじゃないか?
20.花とアリス
これははじめて観た映画ではなく、「ことし観た映画」にカウントするのもどうかな、なんだけれど、
あまりによかったので。
はじめて観たのが大昔すぎて(そりゃそう。現在は40歳近い母にもなっている蒼井優が高校生の役なのだから。ちなみに蒼井優は大好きな役者のひとり)、どういうストーリーなのかあまり記憶がなかったんだけど、久々に鑑賞して「ああ、そうだったそうだった」と記憶が蘇ってくるのも楽しかった。
それにつけても、もうそれだけで映画の価値のすべてといってもいいほどの名シーンはその蒼井優がクラシックバレエを踊るシーン。
スカウトされて雑誌カバーのオーディションに出向いた蒼井優がおそるおそる「ちゃんと踊っていいですか?」と、オーディション審査をするカメラマン(このカメラマン役がいまをときめく大沢たかお)に断り、場を席巻する素晴らしい舞踏を披露する。
これはもう、日本映画の歴史の1ページくらいすごいシーン。
それを除くとそこここに甘酸っぱさのある青春映画なのだけど、その甘酸っぱさも岩井俊二監督の独特のドライなテイストで薄まっているというか、ごく絵的なものに終始している。大人の鑑賞にたえうる芸術作品な印象になっている。
改めて名作だなと確認できた。