水曜日。
仕事を15時であがって(フレックスで時々こういう日がとれる)、以前から同僚が猛烈にプッシュしていた『トワイライト・ウォリアーズ』という香港映画を観に行ってきた。
本年度のアカデミー賞外国語作品賞香港代表映画。日本では、1月の公開からじわじわと人気が広がり、スマッシュヒット。ヒットに肖り、最近日本語吹替版も公開されたらしい。
上映時間は130分と、トイレマン的にはギリギリ。
なので、上映前に大福を2こたべたり(上映1、2時間前に食べるのがいいとのこと。具のない餅がベストとも聞く)、水分を控えたりして万全で臨む。
なるほど、これは古き良き的な気持ちのいい明快な香港映画。
サモ・ハン・キンポーが威張っていたり、男同士の熱い友情があったり、特殊効果モリモリの香港武術があったりする。すごい安定感。
こういう鉄板映画こそポップコーンとコーラで大手を振って観に行きたかった。
ちなみにトイレは楽勝で、エンドロール後の特典映像を観て、明るくなってからLINEの返信までできる余裕があったのだけれど、大福の効果なのか水分を控えたからなのかわからない。
そして少し前、NHKのスペシャルドラマ『どうせ死ぬなら、パリで死のう。』を観た。
ドラマをよく観るようになってから気になっている若い俳優のひとりに岡山天音がいる。
『最愛』、『アンメット』、『ライオンの隠れ家』と、いい役をもらっているのか彼がやるからこそ作品全体の差し色的な風味になるのかわからないが、いい。
顔もいい。人の顔を覚えるのが苦手で(ブラッド・ピッドが患っているらしい相貌失認(の軽いもの)ではないかとも思う。これも以前『相棒』でフォーカスされた回があった。それを悪用した犯罪に巻き込まれる)、若い俳優やアイドルがだいたい同じ顔に見えるわたしが一発で記憶できた。
その彼が主演すると聞いて、NHKプラスに駆け込んだのだ。
『どうせ死ぬなら、パリで死のう。』は、破天荒な姉の子を押しつけられた大学の非常勤講師(シャレにならないくらい貧乏)とその押しつけられた子(=甥)がシンパシーを得て友情を育んでいく物語。
シンパシーの糸口となるのが、ルーマニアのシオランという思想家。
人生に絶望しながら天寿を全うしたシオランを敬愛し、(シャレにならないくらい儲からない)文学の道を進む岡山天音演じる主人公と、破天荒な家族に振り回されながら小学生にしてすべてを諦めて生きる甥。
その友情がじつににかわいらしく、わずか45分だけれど印象深い作品だった。
NHKプラスの配信はすでに終わっていて、いまから観ようと思うとどうしてもお金がかかるのだけれど(NHKオンデマンド)、機会があったらぜひ試してみてほしい。
そんなふうにしてもう4月が半分くらいも過ぎていてびっくりする。
お金ないし、株価もめちゃくちゃだし、来週末だってなんの約束もないけれど、スナップエンドウの筋が完璧にくるっととれた時は何となく浮き浮きするし、野球の運命の選手は好調だし、観たい映画の公開も控えている。
けっこう楽しいなと思うのだ。