思いつきではじめてみたゆる貯金2例

お金のこと

雨の水曜日。寒い。
相棒をリアルタイムで観るためにバタバタと寝る準備をして、その後照明を落とした部屋で川上弘美『ゆっくりさよならをとなえる』を2編。至福。

さて。
貯金が苦手なことは以前書いた。
学生時代のバイト代なんて1円も残っていないし、お年玉なんてもってのほか。
そういうわたしが「貯金、蓄財が少し楽しくなってきた」という話をしたのが、おもにNISAのこと。

今回はそれとは別に最近はじめたゆる貯金2例を書いてみる。
正直、大したカネにならないし、貯金としては意味ない程度のものではあるんだけれど、わたしのモットーは(モットー?)「蓄財にはゲーム性が必要」なので。

まずはじめに、わたしはおもに銀行口座2口座をおもに使ってやりくりしている。実際はほかにもあって、それぞれ細々と活用はしているけれど、それぞれの口座に毎月の給与が振り込まれて、毎月それぞれ小さくない引き落としがあるのはメインバンクとサブバンクのふたつ。

メインバンクから端数貯金

貯金1例目はメインバンク。
毎月のクレジットカードなり口座振替なりの引き去りが終わるタイミングで、端数以下の千円台の部分を別口座に振り込みし、毎月数千円を貯金していく、というもの。

たかが数千円なれど、されど数千円。
これらはとくに運用もせず、別口座の普通預金に少しずつ貯金していく。運用もしないので、いつ引き出してもオッケー。出費が嵩んだ月や、旅先での豪遊費に充てられることになります。

そういうわけなので、実情はただ口座を移し替えてるだけなんだけれど、いわゆる「自分の財産」という内訳にカウントしていない余白を作っておくというのは貯金していくうえでの気持ちの部分でけっこう大事。

生活していくうえで毎月平均的にお金がかかるというわけではじつはないので(お金をつかわない月、なんていうのは作れないタイプです、わたしは)、例えば何か(家電なりが)壊れた、きゅうに旅に出なければならなくなった(いいことも、悪いことも、旅の機会がきゅうに訪れることはままあるものです)など、そういう時にあまりおなかを痛めることなく、パッと差し出せるお金があると、気分的に楽です(そういう時用に資金を別会計で封筒などに用意しているひとも多いでしょうが、わたしはやっていません)。あと、引き落としが終わって、この振り込みを済ませると残高がピシッと0並びになるので、少し気持ちがいいです。

ちなみにメインバンクは三菱UFJ銀行。わたしはメインバンクプラスなので、月数回の他行振込手数料が無料になる。この特典をこの振込で使っています。

いまはことら送金(Bank pay)などもあるので、数千円ならこちらを登録してもいいかもしれないですね。

『ことら送金』サービス紹介サイト
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サブバンクから端数投資

貯金2例目はサブバンク。
こちらは楽天銀行。NISA口座が楽天証券なので(新NISAになるタイミングで銀行から変更)、毎月数万円は給与の一部がこちらに振り込まれるように設定しています(わたしの勤務先では、給与振込口座をふたつまで指定できる)。

ここから毎月27日(非営業日は翌営業日)に楽天カードの引き去りと(おもに積立設定しているNISAの投資信託購入分)、毎月12日に設定している株の積立購入分の支払いがある(株はクレジット購入ができないので、前日に銀行口座から証券口座に自動スイープされる)。

これらの2回のタイミングで、数千円分の投資信託をスポット購入するというのがもうひとつのゆる貯金(投資信託は100円から購入できるけれど、あまりに端数が少ない時などは月1回の購入に留まる時も)。

これを思いついた時に、どのファンドを買おうかワクワクしながら思い悩んだものだけど、検討の結果、いまこの端数投資で購入しているファンドはTracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)という日興アセットマネジメントが発売した比較的新しい商品です。

積立NISAで人気のあるS&P500に連動した商品で、そのうちトップ10のみを構成銘柄として採用しているインデックスなれどやや攻め気な商品。

ここはちょっと変則的なファンドを選んだけれど、メインバンクからの普通預金と差別化するって意味では投資対象はある程度何でもいいと思います。オルカンだっていいし、雪だるまだっていい。Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)と似たようなパフォーマンスですでに人気のiFreeNEXT FANG+インデックスだっていい。

これは、一時期じゃんじゃん宣伝のメールや広告が飛んでいたトラノコというサービスがヒントだった。アプリをダウンロードし、設定をすると毎月の買い物金額の端数を自動的に投資してくれるというこのサービス。これをはじめようか(一時期運用資金をプレゼントするみたいなキャンペーンが頻繁にあった。いまもあるのかな?)迷いに迷って、「うーんでも、投資対象は自分で選びたいな」と思って、このゆる貯金をはじめた。

こちらは投資なので、基本はあまり触らず。よほどヤクザなファンドを選ばない(そういうファンドがあるのかどうかも知らないけれど、全部が全部良ファンドってわけでもないんだろう、きっと)限り、時間の経過とともに着実に利益が増えていくのが投資信託。その原資が端数ってちょっと楽しいし、あとはメインバンクと同じく、引き去りが終わって残高がきれいに0並びになるのは気持ちがいいものです。

若い頃、「月1万円でもいいから貯金したほうがいいよ」という友人を嘲笑っていた自分は何と愚かだったことかと、いまほんとうに思います。あの時、月1万円貯金をしていたら、それをもし投資に回していたら……いまごろはもう別の生活をしていたことでしょう。

この貯金2例は、月1万円も要らない。ただ、毎月端数処理をするだけ。残高がすっきり整って、お金も貯まる。月1万円や5千円の貯金が何だかみみっちくてつまらないと感じるひとは、このあたりのちょっとしたゲームとして、貯金をはじめてみてはいかがでしょうか。

きょうの本

川上弘美:『ゆっくりさよならをとなえる』

芥川賞作家でいまは審査員にもなられて久しい大御所、川上弘美のエッセイ集。
川上弘美のフィクションの小説のようにゆったり紡がれていく何気ない日常。どうして読書をするようになったのか、などの子ども時代や教師時代の思い出ばなしも興味深い。長年手元に置いていて、折に触れて読みたくなる本。
作中で紹介される本も都度好きになった。生涯の愛読書となったガルシア・マルケスも元はこの本の引用で好きになったもの。

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