愛の不時着、中華屋、冬の夕暮れ

雑記

寒い土曜日。美容院へ。
ここ1年くらい通っている美容院には『呪術廻戦』が全巻揃っていて、毎回それを読むのを楽しみにしている。けれど、いかんせん通うのが3ヶ月に一度だから遅々として進まない。渋谷事変の終わりは、もうアニメですら飛び越えたのに。

帰りに大盛りのナポリタンをたべ、家に帰ってプロ野球のキャンプ中継を観る。気がつかないあいだに2月になって、プロ野球のシーズンが動き出した。
わたしは子どものころから野球が好きだけれど、プロ野球はかなり大人になってから観るようになった。だから、とくに思い出もない。

この1週間はずっと『愛の不時着』を観ていた。
韓国ドラマ、というのをとりたててチェックしていないせいで、流行にはあたりまえに乗り遅れた。ただ、何気なくみていた『ライオンの隠れ家』のプロモーション動画で主演のふたりが熱烈に支持していたので、観てみようかなと思ったのだ。

北朝鮮。一般の日本人からすると、メディアに何かと揶揄されている国、怖い国という印象だけれど、ドラマのなかには軍隊にかわいい男子たちの絆があったり、思いやりのあるご近所さんがいたり、隣国のアイドルに熱を上げている女の子がいたりする。これはフィクションだけれど、それでも現実の市井には日常なり、人々の個性なりがきっとあるんだろう。

ハングル文字はまったく読めないので、日本語字幕が現れない街中の看板や、作中の名場面のひとつであろう、本棚の本の背表紙を並べ替えてお互いの名前をつくるシーンなんかは、いまひとつグッと胸にくる感じは味わえない。調べると、ハングル文字はアルファベットより少ない24文字とのこと。覚えられたら、もっと物語が楽しくなるのではないか。

とはいえ、鑑賞も一段落して次の韓国ドラマを探すでもなく、(愛の不時着を観ているあいだに)いい感じに録画が溜まってきた日本の1月期ドラマ(べらぼう、御上先生、プライベートバンカーなど)を消化しはじめているので、実際に勉強してドラマ鑑賞に役立てる日は来ないかもしれない。

野球の中継が終わって、食品を買い出しに出かけがてら近所の中華屋で『新潮』を読む。朝比奈秋の『サンショウウオの四十九日』を読みたくて図書館で借りたもの。
結局、最近はおりにふれて酒をちょろちょろ飲んでしまっている。頻繁には飲まないけど、生活のちょっとしたキーアイテム。わたしなりのソバーキュリアス。実際、こうやって陽の暮れていない夕方に本を読みながら飲む瓶ビールってちょっと最高なんだよね。

きょうの本

朝比奈秋:『サンショウウオの四十九日』
芥川賞受賞作。結合双生児という、同じ身体を生きる姉妹。同じ臓器を共有して、ぴったりくっついていて側から見ればひとりの人間にも見える双生児だが、意識はそれぞれにあり、けれど脳も共有物なので、双方の思考は丸聞こえで。
あまりにすらすらと小気味いい文章で、作中にそういう実例(海外のベトちゃん、ドクちゃんなど)も登場することから、現実にもありえる生存の形なのかと誤解してしまった。
そういうブラックジャック的SF設定が下地にあって、それが読みごたえのひとつになってはいるものの、作品自体は日常描写に向田邦子みさえある、ひっそりと穏やかな質のいい純文学。

タイトルとURLをコピーしました