6月はこの3本。忙しかったり、気が向かなかったりで、月の後半に駆け足で鑑賞した。累計では27本。
25.裸足になって
【STORY】内戦の傷跡が残る北アフリカのイスラム国家アルジェリア。バレエダンサーを夢見る少女フーリアは、男に階段から突き落とされて大ケガを負い、踊ることも声を出すこともできなくなってしまう。失意の底にいた彼女がリハビリ施設で出会ったのは、それぞれ心に傷を抱えるろう者の女性たちだった。フーリアは彼女たちにダンスを教えることで、生きる情熱を取り戻していく。(映画.comより)
舞台はアルジェリア。母親とふたり暮らしの少女が主人公。バレエダンサーになることを夢見て、生活のため、目標のために違法な賭け事に手を出し、その過程で難癖をつけてきた男(賭けで損をする→女性の社会的地位が低い(という描かれ方をしている印象。きちんと勉強したわけではないので、実際のところはわからない)イスラム教文化圏ならではなのか、イカサマだろうそうに違いないと詰め寄られる)に怪我を負わされ、バレエを踊れなくなってしまう。
その後、失意の主人公がリハビリ施設で出会う女性たちに「踊る楽しさ」を伝授していく、という物語。
先日、配信でNHKの『Shrink』(主演:中村倫也 全3話)というドラマを鑑賞していて、章の主人公が入院する精神病棟が描かれるんだけど、その主人公もなかなか自身の精神疾患を受け容れることができない描写がある。食堂で隣り合わせた男性(まったく精神疾患で入院しているようには見受けられない落ち着いた雰囲気。周囲には踊ったり、叫んだりしている患者も描かれている)に「そうか、きみはまだ彼らのことを仲間とは思えないんだね」と言われて狼狽えたりするシーンがあって、この映画もリハビリ施設の女性たちに「自分は障害で踊れなくなったので、暇つぶしに教えてやる」というスタンスから、徐々に「仲間」に変化していくさまが丁寧に描かれている。
主人公の女性が誰かに似ている誰だっけ……と思いながら終始鑑賞をしていて、終わるころにそれがタレントのフィフィさんだと気がついた。彼女はエジプト出身だと聞いたので、いわゆる北アフリカの顔立ちということなんだろう。
キャストは リナ・クードリ、ラシダ・ブラクニ、ナディア・カシ、アミラ・イルダ・ドゥアウダ など
26.ひとよ
【STORY】タクシー会社を営む稲村家の母こはるが、愛した夫を殺害した。最愛の3人の子どもたちの幸せのためと信じての犯行だった。こはるは子どもたちに15年後の再会を誓い、家を去った。運命を大きく狂わされた次男・雄二、長男・大樹、長女・園子、残された3人の兄妹は、事件のあったあの晩から、心に抱えた傷を隠しながら人生を歩んでいた。そして15年の月日が流れ、3人のもとに母こはるが帰ってきた。(映画.comより)
ある種の問題作として、レビューページに紹介されていた作品。
監督は主演に田中裕子を熱望し、彼女がオファーを受けなければ映画の企画自体がボツになっていたとか。そうした監督の熱意を受け、田中裕子も撮影時はこの仕事のみに没頭したとのこと。
田中裕子と3兄妹の演技がすさまじく、とにかく圧倒される。特段、下手というわけでもないMEGUMI(長男の嫁役)が何となく浮くほど。
問題作の所以は、作品の着地点だろうか。殺人は、理由があれば許されるのだろうか、といった。個人的には納得感があった。けれど、チャレンジングな作品ではあると思う。
キャストは 田中裕子、鈴木亮平、松岡茉優、佐藤健 など
27.これからの人生
【STORY】1977年にフランスでも同名タイトルで映画化されたロマン・ギャリーの小説「これからの一生」を原作に、ローレンの息子エドアルド・ポンティ監督がメガホンをとった。イタリアの海辺の街。かつてホロコーストを生き延びたマダム・ローザは、行き場のない子どもたちを預かって自宅アパートで一緒に暮らしている。ある日、市場で見知らぬ少年にバッグを引ったくられた彼女は、ひょんなことからその少年モモを引き取ることに。それぞれ深い孤独を抱える2人は、反発しあいながらも次第に心を通わせ、互いの存在が心の支えとなっていく。(映画.comより)
主演のソフィア・ローレンが86歳と聞いて驚いた。自身の息子が監督を務める同作に9年ぶりに復帰したとのこと。
まず、ホロスコートの傷跡は時間とともに薄れることはない、計り知れないものなのだと認識を深める。
ホロスコートが起こったのは1933年とのことで、生き証人たちももはや生存者は少ないものと思う。これからの季節、日本でも徐々に終戦に向けてのNHKスペシャルや、そういうフィルムが多くかかり出す時期になってくる。子どものころ、生き証人たちの語る話は「歪んでいる」と感じて苦手だったが、歪んで当然なのだ。戦争を知らない世代が推し量ることすらできない壮絶な体験を強いられた、それが彼ら彼女らなのだから。
この作品のソフィア・ローレンも実年齢と同じくらいの老女を演じたが、その時までもホロスコートで受けた傷は消えることなくあり続けていた。太平洋戦争を語るフィルムに登場する市井を生きた人々に重なる印象があった。それだけソフィア・ローレンの芝居、存在感がすごいということだろうか。
老女と心を交わし合う少年・モモ(セネガル移民)や、トランスジェンダーの娼婦、モモを裏社会へと導く売人の元締め等々、脇を固める相関図も濃い。
キャストは ソフィア・ローレン、アブリル・サモラ、イブラヒム・グエイェ、ババク・カルミ など

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